【リーグ戦総括&残留コメント】ボアルース長野・山蔦一弘監督「胸を張って長野に帰る」

【リーグ戦総括&残留コメント】ボアルース長野・山蔦一弘監督「胸を張って長野に帰る」

2026年2月28日/金城ふ頭アリーナ
メットライフ生命Fリーグ 2025-2026 ディビジョン1
ファイナルシーズン 名古屋ラウンド
ボアルース長野 1-1 シュライカー大阪
出席者:山蔦一弘監督/三笠貴史選手

ーー試合の総括をお願いします。

山蔦:今、自分たちに出せる100パーセントの力は出せたと思います。長野から応援に来ていただいたファン、サポーターに対しては、勝てはしませんでしたが十分に誇れるゲームができたと思っています。

三笠:リーグ戦最後の試合で、やりきったと言えるゲームだったのかな、と思います。ただ、普段からいろいろ積み上げてきた中でまだ届かないのか、自力で残留を決められないのか、という悔しさは残るゲームでした。

ーー前日に1対1で引き分けたあと、この試合に至るまで、監督から選手たちにはどんな言葉をかけましたか。

山蔦:昨日も多くのシュートを打った中でなかなか決まらなかったので、まずは継続すること、打ち続けること。今日に関しては明日がない状況なので、とにかく覚悟を持ってやり続けるというメンタルのところだけを話しました。

ーースコア上は昨日も今日も1対1でしたが、ピッチの中での選手たちの様子は違いを感じましたか。

三笠:そうですね、今日の方が静かではあったと思います。いつもよりも深い集中に入っているんだと感じました。明日がないということに対して、全員が昨日の試合が終わった後から今日まで少し微妙な、嫌な時間があったんですが、今日は集中して今までにあまり感じたことのない雰囲気でした。

ーーファイナルシーズンで2勝3敗、ファイナルを通して感じたことはありますか。

山蔦:どのチームも本当に勝たないといけない試合が多く続く中で、苦しい試合を経験してきた経験値を存分に感じました。普段だったら入っているシュートが入らなかったり、止めれられいてるところで相手の気持ちに押し負けてしまうシーンがあったり、自分たちのチームはこういった経験値がまだまだ足りないと感じましたし、チームとしても個人としても突き抜けるところが足りなかったと思います。例えば他のチームでいうと、やはりベテランの選手がファイナルシーズンでものすごく活躍をしていましたが、僕らはどちらかというと普段入っているシュートが入らないシーンの方が多かったと思います。そこも含めて経験の足りなさ、チーム力のなさだと思います。

三笠:僕自身、リーグ戦が終わってすぐにプレーオフの経験はあるんですが、ファイナルシーズンの形式は初めてで、準備期間がある中であと5試合、蓋を開けてみないと分からない状況でした。本当に監督が話したように、若くて勢いのある選手たちに対して『リーグ戦と同じ勢い、同じものを出してくれ』というのは難しいと初戦に感じました。その時に誰が仕事をするんだとなったら、やっぱり経験のある選手がチームを引っ張る、スコアを動かすことをしないといけなかったのを、僕は準備期間の段階でそういうマインドにできていなかったな、と横浜戦で気づいて少し後悔があったというか。『こういうシーズンなのか』と、多分全員が感じたと思うんですが、それをピッチに出すまでに試合を重ねてしまった。今、振り返って思うのは、経験しないと分からないことだったと思います。実力不足が一番なんですが、こういうシーズンを経験しないと、やるべきことは分からないんだ、と自分の経験不足、実力不足を痛感したファイナルだったと思います。

ーーチームの雰囲気について、静かだったとのことですが、試合前のベンチでは渡辺大輔選手が「痺れる試合だぞ」と声をかけていて、選手たちのテンションも高いように感じました。それは自らを鼓舞していくような感じだったんでしょうか。

三笠:普段から渡辺や若手の選手、石川昇永だったりが練習からもいいテンションで、他の選手もそういった雰囲気で、いい時はやっぱり声が上がるのかな、と思います。でも、無理やり出してるっていう部分も少し、チーム内でありました。いい時は自然といい雰囲気になってくる。悪い時は少し無理をしてそういう雰囲気にしていく。ただ、ピッチでそれが表現できない難しさをずっと感じていました。

ーー27試合が終わりました。中断期間が何度かあったり、長野としては初めてのファイナルシーズンを経験したり、怪我人の復帰や選手の加入もあり、長いシーズンだったと思いますが、振り返って感想をお願いします。

山蔦:そうですね、本当に目の前の1試合、1試合に向き合い続けた27試合でした。去年のF2とはゲームの強度や内容がまったく違いましたし、そのための準備はしてきたんですが、例えば長野という土地で中断期間があるとトレーニングマッチの相手もいなかったり、選手を獲得するときに他のチームに比べてもう一つ労力をかけないといけなかったり。生活拠点を移して長野に来てもらうことも含めて、クラブの力をもっともっと大きくしないと、我々は強豪チームになれないと痛感させられたシーズンでした。それはボアルース長野というチーム単体で考えてもそうですし、長野県のフットボールというところでも、育成から力を入れたり、選手を獲得できるような潤沢な資金を得たり、何か大きな手を打たないと、いつまで経ってもこういった残留争いに巻き込まれてしまうと感じた1年間でした。

三笠:監督の話の後でちょっとずるいかもしれませんが、僕はシーズンを通して各地に行って、自分のチームに戻ってくる中で、ボアルース長野のホームゲームの素晴らしさを常々感じたシーズンでした。特に、ファイナルのような共同開催の場所に行くと、周りからも『ああいった雰囲気のホームゲームをやるチームは落ちちゃダメだよ』とたくさん言ってもらって。クラブとしての課題もあるけど、このクラブはやっぱり1部にいないといけない理由がある、とピッチ外のところでは感じました。

ピッチの中に関しては、(他のチームの)質の高さと迷いのなさをすごく感じていて。手本にすべきチームはたくさんあるんですが、プレーに対して迷いがなくて、判断というより『迷いがない』。1本のパスを集中して通してくるようなところに、僕らは判断しながらなので少し遅れる。でも、相手は一歩早い。判断が早いのもあるし、熟練度やプレースピードも含めて、そこの差は常に感じていました。それが一瞬の隙やプレーの流れでの失点に繋がる。主に自分に対して、自分たちにとってはいい時間帯かもしれないけど、相手からしたらゲームプランだと気づく部分にもすごく課題を感じました。

ーー声援を送ってくれた長野のファンの方に一言ずつあれば最後お願いします。

山蔦:今シーズンも本当に多くのご声援をいただいてありがとうございます。なかなか思い通りにはいかなかったシーズンでしたけど、自分たちのできる100%は出し切りました。あとはもう結果を信じて待つしかないですし、どんな結果になっても受け入れるだけかな、と思います。これからもボアルース長野はどんな状況でも歩み続けますし、長野のために戦い続けます。これからも多くのご声援、よろしくお願いします。

三笠:そうですね。今、この時点ではまだ順位は確定してないんですけど、シーズンを通してたくさんの声援をいただいてありがとうございます。僕たちは長野の皆さんのために戦い続けるので、これからもずっと応援していただきたいですし、そういう風に思ってもらえるクラブになれるように、選手も含めてがんばっていくので、これからも応援をよろしくお願いします。

【追加取材】

2026年3月1日/山蔦一弘監督

ーーまずは、残留おめでとうございます。

ありがとうございます。ドキドキして試合を見ていました。

ーー自チームの試合を終えて、あとは他力というところで、難しいメンタルだったと思います。

本当に、一人の観客のように一喜一憂しながら見ていましたが、自分たちに置き換えたら、他力の状況を作ったのは自分たちだし、昨日の会見でも話したように本当に根本的なことをいろいろ変えていかないといつまでもこの苦しみを味わうのかな、という感覚があります。

ーー今シーズンはギリギリでの残留となりましたが、今のままでは来シーズンも同じような苦しみを味わう可能性があります。課題として挙げていることへの働きかけはどのように考えていますか。

ただただ、トレーニングを続けるしかないというところと、選手たちの成長を促してサポートしていくことしかできないので、本当に、より厳しく、より上を目指してやっていきたいと思います。ただ、今シーズンに関しては目標自体が残留だったので、しっかりその目標をクリアできたのは、選手たちのがんばりだと思います。

ーー地域密着という視点では、長野ラウンドで長野駅にフットサルの大型バナーが掲示されるなど、フットサルを応援する文化が根づいていると感じました。三笠選手も最終戦後の会見で、ホームゲームの雰囲気や地元メディアの取材など、素晴らしいものがあると話をしていましたが、残留が決まった今、改めて長野の皆さんにはどんなことを伝えたいですか。

そうですね、例えばご飯を食べに行けば結果を気にしてくれる方がいたり、スーパーに行けば何か声をかけてくれる方がいたり、本当に街中が応援をしてくれています。ちょっと胸を張って歩けるような環境なので、この何週間かは逆に、外に出るのが嫌だな、と思うぐらいに『もし、降格してしまったら申し訳ない』という気持ちもありました。その中で残留できたことは本当に喜ばしいです。

この長野という土地で、例えばサッカーの松本山雅や長野パルセイロもなかなか昇格できません。バスケットもそうです。いろいろなスポーツが、長野のチームがトップリーグを戦う難しさを感じている中で、地域の方の応援は本当にすごく力になります。来年も1部リーグでプレーできることを地域の皆さんにも誇っていただいて、もっともっと自分たちが上に行けるように、引き続き応援していただきたいと思っています。

ーー長野のフットサル文化には、例えば若年層に広まっている、外からの獲得が難しくても育成ができる、といった土壌はありますか。

サッカー、フットサルも合わせたフットボールの現状では、例えば高校生になるといい選手は外に出てしまいます。ユースからトップに昇格せずに強い大学に行くなどの文化があるので本当に難しいのですが、そこを変えていかない限り、自前でいい選手を生み出すことはできないと思うので、より若い年代から力を入れて選手を育てないといけないということは我々の結果も踏まえて強く感じました。

ーー選手たちにはどんな声をかけたいですか。

最終戦の後も言ったんですが、やれることはやりましたし、これが今の自分たちの力だと思います。「よくがんばった」ということと、新たに付け加えるとしたら「本当におめでとう」と言いたいですね。胸を張って長野に帰ります。