世界で勝つために必要な「個の力」。日本代表・山田凱斗がモロッコ戦で示したいもの
欧州制覇5回を誇るスペインの名門、インテル・モビスターでのプレー経験を持ち、フットサル日本代表にも継続して招集されている、しながわシティの山田凱斗。これまでも、世界の強豪と戦うためには「個の力」を高める必要があると語ってきた。
10月31日に行われたメットライフ生命Fリーグ2026-27 第17節では、バサジィ大分を9-1で下し、自身も2得点を挙げて勝利に貢献。試合後の山田に、ブラジル遠征で感じた課題や、11月6日、8日に控えるモロッコ代表との国際親善試合への思いを聞いた。
ーーホームで9-1で快勝し、2得点を挙げました。そういった姿をサポーターのみなさんに届けられ、気持ちのいい試合だったと思いますが、振り返っていかがですか。
そうですね。直近の2試合、名古屋オーシャンズ戦、フウガドールすみだ戦は、自分たちが求めていた結果じゃなかったと全員が分かっていますし、優勝を目指しているチームにとって、正直痛い2連敗でした。そこで、まずこの試合に懸ける思い、毎試合懸けてはいるものの、やっぱり重要な一戦だったと思うので。ただ勝つだけじゃなく、ここ数試合はチームとして得点もあまり取れていなかった中で、ひとついい分岐点になる試合にはなったのかな、と思います。
ーー2ゴールをそれぞれ振り返って。
1点目は入ったことに気づいていなくて(笑)
ーーだから「俺?」みたいなジェスチャーだったんですね。
そうなんです、僕はコーナーになったと思って、コーナーの方を見ていたら(カイオ・)ペドロやみんなが寄ってきて、「なんで?」って思っていたら「ゴールだよ」って。それで、僕も戸惑っていたんですけど、あの得点って2点目か3点目でしたよね。
ーーそうですね、2点目です。
いい時間に点が取れれば、多分みんなもいいプレーができるので、そういった意味ではあのタイミングでの追加点はすごく良かったかな、と思います。(後半序盤の)2点目に関しては、前半で5-0という点差がついてきていました。僕は(大分の)金井監督とFリーグ選抜で一緒にやっていましたし、パワープレーはあるだろうとか、そういった話はハーフタイムでもしていました。その中で、パワープレーに入られる前にひとつスコアを動かせたのは、大分のプラン的には多分イレギュラーが起きたと思います。あれもペドロの落としだったんですが、ああいう形で取れたのはすごく良かったかな、と思います。
ーーブラジル遠征はタイトなスケジュールでしたが、帰国してからのコンディションも良さそうに感じました。
そうですね。前までは膝の問題を抱えながらプレーをしていました。コンディションがいい、悪いは、プロでやっている以上、常に良くしていかなきゃいけない中でも、やっぱり違和感があったり、感覚的に「ちょっと今日は違うな」というのがあったりした中で、チームに時間をもらってしっかりリハビリをして、膝へのストレスがなくなりました。復帰してから、という言い方が正しいかは分かりませんが、そういった意味ではリハビリをしてからはすごくいいコンディション、身体でプレーできていると思います。その中で、タイトなスケジュールだったとしてもプレーをして、勝たなきゃいけないのが日本代表の責任だと思います。それに、代表活動を終えてチームに帰ってきたら、今度はしながわの一員なので、そこで最大限のパフォーマンスをしなきゃいけない。それが仕事なので。そういった意味で、見ている方に「いいパフォーマンスができている」と思ってもらえているのは、僕自身もしっかりやれているのかな、というふうに思うので、継続していきたいです。
ーーブラジル遠征は1勝2分1敗の3位。望む結果ではなかったと思いますが、振り返っていかがでしたか。
監督もおそらく言っていたと思うんですが、スケジュールがタイトだから勝てないというのは本当に言い訳というか。そんなのしていてはいけなくて、やっぱり日本代表として戦う以上、どの試合も勝たなきゃいけない、勝っていく姿を日本に届けなきゃいけない。なので、本当に不本意な結果ではありました。特に、グループリーグの2戦は僕たちが勝たなきゃいけない試合だったと思っているので、まだまだそういう試合をしているから、アジアで負けてしまうことがあると思うし、ワールドカップベスト8に届かないのが現実だと思っています。ああいった試合をしっかり勝ち切っていくこと、当たり前に勝っていくことが、今の僕たちに足りない力だと思うので。今回のモロッコはすごくいい相手だと思うので、勝つ試合をどれだけしていけるかだと思います。
ーーモロッコはアフリカの強豪で、体格には大きく差はないものの、ランキングでは上回る相手です。どのような印象を持ち、どういった戦い方をして勝ちたいですか。
モロッコの特徴としては、多分、体格的には同じような選手が多い中で、個人の力がある。剥がせる力を持っている中で、4枚のクアトロですごく流動的に動いてくるチームだと思います。まず、1対1の個で剥がされないことは、すごく重要なポイントになってくると思います。逆に攻撃では、フィジカル的な優位性を持った選手もいますし、どうアプローチをしていくか、どう効果的に使っていくか、自分たちのストロングポイントをどう生かせるかが勝てるポイントになると思います。
ーー日本代表は、規律を大事にしています。ただ、山田選手に以前、話を聞いたときに「個を高めることが必要」という話をしていました。今の日本代表には戦術理解や技術が高い選手がいますが、ブラジル遠征の試合を見ても、個で勝ち切る場面での物足りなさを感じました。個の力については今、どういった印象を持っていますか。
おっしゃっているとおりだと思っています。もちろん、日本人の特徴、日本代表の特徴として、規律やルールを守って全員が連動することは変わらない強みとしてありますし、今後もあり続けるものだと思っています。ですが、「個」というところではブラジルを見てもらったら分かるように、最後には特徴のある選手がかわしてシュートを決めるとか、結局そこだと思うんですよね。規律やルールはチームとしてある上で、個がどれだけ乗ってくるか。プラスアルファだと思うので。前回も僕はそういった話をしましたが、今も変わらずそう思っています。僕自身の課題でもあるので、もっともっと上げなきゃいけないと思います。
ーーフットサル日本代表が国内で試合をできるチャンスは、年一回あるかどうかです。昨年から数えると約1年ぶりになるので、試合を見に来てくれる方、配信で見てくれる方に向けてのメッセージをお願いします。
去年がブラジル戦で、その前がアルゼンチン戦でしたよね。どちらも勝てていないですが、日本で試合をできる機会は本当に年に一回あるかないかですし、その機会に自分自身がプレーできることは本当にうれしいです。しっかり感謝を返せるように勝利して、日本のみなさんに改めて「日本のフットサルっておもしろいんだ」ということを伝えたいです。もっともっと日本のフットサルが盛り上がっていくためにも、日本代表の活躍っていうのは重要だと思うので、勝っていい試合を届けたいです。
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